辞めたいと伝えた俺が社長に呼ばれた日|それでも会社に残った理由と「見えない年収」の話

「辞めます」──そう伝えたのは、育休を2回取る前、まだ自分が何に怒っていたのかも整理できていなかった頃のことだった。

営業で成果を出しても、評価は頭打ち。
「もっと稼ぎたい」「家族のためにも、インセンティブのある環境に行きたい」そう考えていた。

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社長との1対1面談で言われた言葉

「人をひとり雇うのにどれだけコストがかかるか、わかるか?」

普通はここまでの面談はない。だけど、営業部長を通じて社長と話すことになった。

その時に聞かされたのは、採用・教育・定着にかかるコストのリアルだった。

ヘッドハンティングされたとき、心が揺れた

「メジャーリーグで一番稼いでるのは誰だと思う? マネージャー? プレイヤー?
もちろんプレイヤーだよ。
君は今、マネージャーに稼がれてる。ずっとそれでいいの?」

当時、確かにグサッと刺さった。
頑張ってる自分がもっと報われてもいいんじゃないか。そう思った。

でも冷静に見比べてみた「今の会社」と「転職先」

項目今の会社(自分)転職先(想定)
手取り月収20万円20万円
週休制度完全週休2日週休2日(繁忙期出勤あり)
有給取得年20日年10日程度
住宅制度借上社宅(家賃自己負担3万)家賃補助3万(実費9万)
育休実績2回取得済み制度はあるが実績ゼロ

この差を“年収換算”してみた。

  • 休暇の差(年間10日 × 1万円相当)= 10万円
  • 有給の差(年間10日 × 1万円相当)= 10万円
  • 住宅負担の差(月6万円 × 12ヶ月)= 72万円

合計:年間 約92万円の“見えない年収差”

辞めたい気持ちも大事。でも「知ってから辞める」方が後悔しない

辞めるのが悪いわけじゃない。俺だってそう思ってたから。

でも、条件を“数字で整理する”ことで、冷静に選べた。

見える給料だけじゃなく、福利厚生・休暇・家族の時間も立派な報酬だ。

残る選択をした今、俺はこう思ってる

もしあの時辞めていたら、育休も、今の働きやすさも、得られてなかったかもしれない。

だから今、後輩が辞めると言っても、俺はこう言える。

「辞めてもいい。でも、自分の“見えない年収”にも気づいてからでも遅くないよ」

成功とは、得たものによってではなく、手放さなかったものによって測られる。
— H.G.ウェルズ

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