「私は大丈夫」「私はそんな詐欺に引っかからない」。
そう思っていたのに、気づいたら騙されていた。
──それくらい、今の情報商材詐欺は巧妙です。
この話は、誰にでも起こりうる出来事です。
家計管理をしていても、投資を正しくしていても、防げない“心の隙”を突く詐欺の話です。
家計を守っても、心までは守れない
うちは家計をきっちり管理していました。
投資も支出もすべて可視化していて、家計的なダメージはゼロ。
でも、妻が個人で引っかかったんです。
つまり、どれだけお金を守っていても、
“心のスキマ”までは守りきれないということ。
悪い人は、そこを狙ってきます。
家計簿には載らない「焦り」や「希望」を利用してくるんです。
きっかけは「副業で月10万円稼げる」
最初はたった1本の広告でした。
「副業で月10万円」「スマホで完結」「未経験OK」──誰でも惹かれる文言です。
LINE登録 → 無料講座 → 限定セミナー → 高額コンサル。
流れは自然で、相手の話し方も丁寧で、悪意なんて感じなかった。
実際の内容は「日報報告」「月1コンサル」「LINEグループ」だけ。
しかも、その“仲間”は全員サクラ。
投稿もコメントも、信頼を演出するための脚本でした。
LINEはなぜ“密室”になるのか
なぜ彼らがLINEを使うのか。理由はシンプルです。
外部に見られたくないから。
SNSだと通報される、批判される。
だからLINEに誘導して密室を作るんです。
LINEは既読がつくから心理的圧をかけやすく、
「仲間」「先輩」を装ったサクラたちが安心感を演出します。
最近は、LINEで新商品やセール情報が届くことも多いですよね。
こうした通知の中には、安心して見られる“公式販促アカウント”と、
危険な“勧誘・詐欺アカウント”が混在しています。
安全なアカウントは緑の盾マーク付きの公式認証があり、
内容も新商品やキャンペーンの案内に限られます。
リンク先も公式サイトや楽天、Amazonなど明確です。
一方、危険なものは個人アカウントで
「無料講座」「副業」「稼げる」「限定特典」などの言葉を多用し、
bit.lyなどの短縮URLで外部サイトへ誘導します。
通知の頻度にも違いがあります。
安全な販促LINEは多くても1日数件ですが、
詐欺系は深夜にも連投したり、個別で通話をかけてくることがあります。
安全なアカウントは返信不要で、問い合わせは公式フォーム経由。
危険なアカウントは「返信してください」「参加して」と双方向に関わろうとします。
もし通知だけを見たい場合は、LINE設定から
「通知ON・メッセージ非表示」にしておくのが便利です。
タイトルだけ確認でき、メッセージを開かずに済みます。
不要な販促は通知オフやフォロー解除で整理すればOK。
公式マークがないアカウントから個人通話が続く場合は、
すぐにブロックや通報をして問題ありません。
リアルの信頼を演出する「ランチ会」
オンラインで信用を作ったあとは、次に“ランチ会”を仕掛けてきます。
実際に会って食事をすることで、警戒心を溶かす。
「感じがいい人たちだった」「仲間ができた」と思わせるのが狙いです。
でも、それは全て演出。
同席していた“仲間”は全員サクラ。
会話も雰囲気も、あなたを信じさせるための台本です。
夫婦のすれ違いと伝え方
僕は家計管理も投資もしているし、詐欺の仕組みも分かっている。
だから冷静に伝えた。けど、素直に聞いてくれなかった。
人は「間違っている」と言われると防御します。
たとえそれが正論でも、心が追いつかない。
だからこそ、伝え方が大事。
“教える”より“一緒に考える”。
それが、家庭で詐欺を防ぐいちばんの方法だと思う。
真面目な人ほど狙われる
詐欺は怠け者を狙いません。
狙うのは、真面目で、努力できて、家族のために頑張る人。
“良い人ほど騙される”ように設計されています。
「副業で家計を助けたい」「自分にもできることがあるかも」──
そんな前向きな気持ちが、最も利用されやすいんです。
おわりに
悪い人は、白昼堂々悪いことをしません。
光の当たる場所では、善人の顔をしています。
そして、夜にこそこそと人の心に入り込む。
──悪い人は白昼堂々悪いことをしません。
夜にこそこそとやります。
あなたの身近にも、静かに忍び寄る“優しい詐欺”があるかもしれません。
今日、ひとつだけでもLINEを見直してみてください。


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